日頃の「点検」と「心がけ」と「訓練」と「知識」で、お客様の命も、自分の命も救うことができる

点検実施ビル建物インタビュー

 

 

東京都大田区 うなぎや「大森野田岩」金本慎一さんにお聞きしました。

建 物
延べ面積約340u(1階面積約68u)、4階建て:地下1階あり、鰻料理店(B1F〜3F)、住居(4F)

 

消防設備点検を始められたきっかけはなんですか?

 3年前にこのビルを新しく建てたときに、消防署から消防計画書などを提出するように指導されたのがきっかけです。しばらくは何もしていなかったんですけど、消防署から電話がかかってきて、「防火管理者を立てるように」と。それで、じゃあ自分が、と、私自身が講習を受けに行ったんです。

 2日間の防火管理者講習で、いろいろな話を聞いて、そのときに初めて「何かしなければ」という気持ちが芽生えました。それまでは、何も知らなかったんですね。講習を受ける前は、自分の店は関係ないと思ってました。

 現在は、ずいぶん防火意識が変わって、年に2回、3月と9月に点検を実施してますし、防火対策もあれこれやっています。

 

具体的にどんな防火対策をなさっていますか?

 私が防火管理者になったときに、店内を「全館禁煙」にしました。
 前のお店の時には、タバコを吸うお客様がテーブルの下に灰皿を置いてたばこを吸うことが多かったんです。畳も、よく焦げていました。最近は、禁煙のお店も多いので、じゃあうちも、と思い切って禁煙にしました。
 店の者がずっと客室を見て火の不始末を監視しているわけではないので、禁煙にしたほうが安心です。気がつくとタバコで火事が、ではお客様にとっても困りますしね(笑)。

全館禁煙以外に気をつけていることはありますか?

 当店は、うなぎを炭を使って焼いています。営業終了後は、「炭の後始末」と「ガス」には気をつけています。炭は、完全に消さないといけません。

 

非常時の対策は?

 連絡係、誘導係、初期消火係の担当者を決めています。消防計画をキチンと作っています。また、訓練もしっかりやっています。もちろん実際に火事になったら、どこまで機敏な対応ができるかはわかりませんが、いざというときのために、平常時にできることはやっておこう、と。

 まずは、「火災が起きないようにするということが大切」だと考えています。火を使うところには、燃え移る可能性があるものは置かないようにしています。

「放火対策」は何かなさってますか?

 ゴミは、夜は出さずに朝に出すようにしています。
 このビルに住んでいるわけではないので、夜になるとわからないんです。誰もいなくなるので、怖いですね。

 

 

お客様に「安心」を提供するために、何か打ち出していることはありますか?

 「避難誘導灯」の位置は、お客様にも確認していただくようにしています。何かあったときには、お客様が安全に避難できることが、まずは一番ですので。

 

従業員の皆さんの意識向上について、どのような取り組みをなさってますか?

 みんながその重要性をわからないといけない分野だと思ってます。
 点検時には、せっかくプロの方が来られますから、避難ハシゴの降ろし方/組み立て方、消火器の使い方のレクチャーを、従業員みんなで必ず受けています。

 あと、防火対象物点検は、いざというときに「人間が動けるかどうか」の点検ですが、これを実施することで、従業員教育になります。

他にもなにか対策はありますか?

 特に、避難ハシゴが降りる場所だったところは、昔、酒屋さんがビールケースを置いていく場所だったんです。それを、ハシゴが降りる場所を確保するために、酒屋さんに置き場所を変えてもらって、店の中に置いてもらうようにしました。
 お店としては、昔は表でやっていたほうが便利でした。配達も回収も外でできていたのが、その度に店の中まで持ってきてもらわなくてはならなくなったので。いろいろと不便をかけるかたちになってますが、避難ハシゴを降ろす場所を確保するために、こうした外部の方まで協力してもらっています。
 これも安全のため、ということで、ご理解いただいて協力してもらっています。なかなか難しいんですが。

客側の心理としては、安全であることが当たり前だと思っていますね。

 以前は私自身もそうでした。防火管理者になってから、外に焼き肉を食べに行ったときなど、これは危ない、これではひっかかるぞ。などチェックするようになりました(笑)。

 

防火管理者がしっかりしていると、関係するみなさんの意識も変わりますね。

 お店や会社によって、防火管理者の苦労は違うと思います。気をつけることも違うでしょうし。

防火管理者の資格を取られてからが「転機」になられましたね。

 防火管理者になるまでは、消火器が置いてあっても使い方も知りませんでした。しかし、講習を受けてから、気持ちが180度変わりました。他の店に行っても、どのようにしているか見るようになりました。
 お客様に安心して食べていただけるようにしないと、おいしいものを出しても意味がない、と思うようになったんです。最初、避難ハシゴが料理を運ぶのに邪魔なので、奥にしまい込んでいたんです。でも今では、いつでも出せるように手前に出しています。

 あと、火のあるところには、タオルなど、燃えるモノは置かないようにしています。考えてみれば当たり前のことなんですが、昔は、そんなことも考えず、タオル、新聞紙などを平気で置いていました。

 いざ非常ベルが鳴ったら、従業員各人が、自分から率先して動けるかどうか。もしも何かあったときには、従業員が団結して、お客様を誘導して助けられる体制をつくっているつもりです。実際に火を見ると、パニックになるかもしれませんが、日々、常に高い意識を保っていたい、と考えています。
 日頃の「点検」と「心がけ」と「訓練」と「知識」で、お客様の命も、自分の命も救うことができる、と、そう信じています。

 消火器も避難ハシゴも、使い方を知っているのと知らないとでは大きな違い。もしも、他のところで火事があったとしても、「使える」ことで自分の命も周りの命も救えるかもしれません。最近は、外でも、避難口を必ず確認する習慣がついています。

 

来年は、防火対象物点検の特例申請にチャレンジされるとのこと。
「知識と意識は大切!」ということですね。ありがとうございました。

(インタビュアー:松谷葉子)

 

【インタビュー先情報】

店舗名 :「野田岩」 様
住所:東京都大田区大森北1-30-8
電話番号:03-3761-4110
営業時間:11:30〜14:00,16:30〜20:00
定休日 :毎週水曜日及び月終の日曜日
ご協力ありがとうございました

 

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